第五章 ロr・・幼い賢者
目が覚めた。 目の前が真っ暗・・・・・・
撃たれたから死んだのかと思った・・・・
何か、やわらかい物が当たっている
やわらかい物?・・・・
「ハッ!?」俺は恐る恐る顔を上げてみる・・・・・
「げぇ・・・・・」
あれだ・・その・・・ルナの胸の中で寝ていた。
どんな体勢だったかはご想像にお任せします。
「ん?」
しまったぁ!!ルナが起きてしまった!
「もう〜、アビスったら〜大胆なんだから〜」
などとヘラヘラ笑いながら言ってくる
ルナとしょうもない会話をしてようやく気づいた・・
「ここは・・・・・・・どこだ?・・」
「さぁ〜?」
石造りの部屋、立派な家具が置いてあり窓から朝日が入り込んでいる。
そして、一人の女性が入ってきた
その女性は見たことがある・・
「ティシル・オリヴィアです。改めてよろしく」
「ティシル・・・・ティシル・・・あ〜!!昨日のあの反則的な強さの!」
彼女は俺の声を無視し、深々と礼をする
俺たちも一応礼儀として礼をする・・
「朝食の準備ができています。ついてきてください」
そう言って、笑顔になる。。その笑顔は見た目のカッコイイや美人とは違って、カワイイ?いや、可憐とでも言うのが正しいだろうか
「カワイイなぁ〜・・・・」
「ムッ!!ライバル出現!!」
俺の隣でルナが小声で何かを言っていたが聞き取れなかった。
食堂につくと、オロチが座っているのが見えた。テーブルには朝食と思えぬような量の食事が置かれていた。
テーブルの端っこで、一人食べ始めてる奴がいた・・
「ブラッド!?お前、吸血鬼じゃなかったのかよ!日光は・・日光は大丈夫なのか!?」
「お前の隣にいる奴に変な薬飲まされて日光の下に放り込まれたけど、なんともなかった」
隣にいる奴?・・・俺はルナの方を見た
「違う!違う!そっちじゃねぇ!そうそう、そっちのくそ女だ!」
「ティシルさん、その薬とは?」
「一日二回服用することで、日光に対する耐性が上がる薬です・・。ただ、体力の3分の2は削られますが」
と、説明してくださった。
そして、俺とルナは近くの椅子に座り、食事を始めようとするティシルに「少々お待ちください」と言われてしまった。
「会わせたい方がいるので」
彼女はそう言うと来た道をスタスタと戻っていく
「あぁ〜〜!!!ラーネットさまぁ〜!!」
彼女が歩いて行った方から大きな声が聞こえてくる・・
「何で二度寝してるんですか!!しかも、服着てたのになぜパジャマになっているのですか!」
声の主はティシルなのだが・・・・
その声はいつもの声とだいぶ違っていた・・見た目も口調も結構クールな人でそうそう取り乱すような人ではないと思っていたのだが・・・・
廊下から聞こえてくる声はそんなイメージをぶち壊すものだ・・
〜数分後〜
「おまたせしました。ラーネット様です」
声の方を見るとティシルともう一人小さい少女が立っていた
その、ラーネットという少女は本当に幼く人形のようだった・・・・