地界
第一章
ここはイリヤ村
この辺にある村の中ではちょっとだけ大きい
農業が発展して村の人口は少ない
だけど、空気が美味しくて緑が多くて、そして・・・・・空気がおいしい!
「ねえ母さん、本当に旅に出なきゃいけないのー?」
「そうねー、もっとお金持ちなら旅をしなくてもいいんだけどねー」
この村では13歳を迎えた男の子を旅出すという、不思議な伝統がある。
その不思議な伝統は僕も例外ではなく、旅に出なければならないらしい。
「やだなー、旅なんて・・・もし危なくなったらどうするのさ」
「大丈夫よ!あんたは騎士の息子なんだから」
「でもさー父さんの写真とか残ってないしさー、本当に騎士かどうか分からないじゃん」
「あんたが今、手にもってる剣がその証拠よ」
少し古びた剣
父さんがずっと使っていたと母さんが言ってる剣
「こんな剣一本で旅って・・・・不安だなー・・」
「なにを今更言ってるの! もうちょっとでご飯作り終わるからね!これ持ってさっさと行きなさい!」
不安を払拭する暇もなく母さんはお弁当を投げてきた。
「ほれ!さっさといきな!」
「え・・・・あ・・・・うん、いってきます」
母さんはそれ以上なにも言ってくれなかったけど笑顔で手を振って見送ってくれた。
「いってきます!」
既に決まっていたこと!
今更なにをくよくよしてるんだ僕!
さぁ!!いってやる!!
一歩目を歩き出す
コケタ・・・・
母さんが「あ・・」と言ったような気がした。その後「いってらっしゃい」と小さな声で言ったような気もした。
「うぉおおおおおおおおおおおお!」
走り出す。村が見えなくなるまで・・・・
「旅っていってもどこにいけばいいんだああああああああああああああ!」
走りながら言った。言ってやった。ちくしょう、不安が少し戻ってきた。